急な退職で負の連鎖(後編)
その『退職』ちょっと 待った!(後編)
長年に渡り飲食業界で働く方々に向け、転職活動のアドバイスをさせていただいております。飲食店求人コミュニケーションズの斎藤です。
前回に続き、絶対に避けたい『負の連鎖』をご紹介します。
私が見てきた『負の連鎖』にはまった転職者。
事例)<後編>
=Mさんからヒアリングした希望条件=
収入:年収500万以上
休日:月6日あればOK
深夜勤務:NG
通勤圏内:自宅から1時間圏内
希望職種:店長
ジャンル:特になし
Mさんの希望するような求人はありますが、果たしてMさんの転職活動はどうなったのでしょうか?
=Mさんからヒアリングした職歴からの経験値=
・ファストフードチェーンの店長歴(6年)
・新店の立上げ経験(2店舗)
・人財育成の経験が豊富
=Mさんからの転職先に求める要望=
・希望年収は絶対に下げたくない
・業態はテーブルサービスであれば良い
=求人のご紹介を開始=
Mさんの要望を叶えなられる求人を探した結果・・・
私から3つの求人を提案。
1)上場企業の子会社で出店意欲が高いダイニングの店長候補
想定年収:400~450万円
2)飲食FCビジネスで全国展開している会社の店長候補
想定年収:400~450万円
3)ファストフード店の店長候補
想定年収:400万
※前職と同業態で比較検討していただく理由から
結論から言えばMさんは私の紹介先を断った。
理由は希望年収に届いていない、ということだった。
当然と言えば当然だが・・・
私が提案した1)と2)の会社は紹介実績があり、私が過去紹介した方が実績を上げて年収420万スタートから500万円近くまで収入UPを実現させていた。出店を積極的に取り組んでいたのでMさんにも必ず昇給のチャンスが近い将来あると考えてのことだった。またMさんのこれまでの経験をヒアリングした時から不安もあった。これまでテーブルサービスの経験が無かったからだ。ファストフード店=カウンターサービスでの経験は抜群だったが、テーブルサービスはやはり勝手が違う業種。いきなり年収500万のトップクラスの店長求人をご紹介した時にMさんが潰れてしまわないか、心配だったからだ。
中途入社で収入が高い=企業は「能力」を買うということ。企業も当然ながら「成果」を早く上げることを期待している。いつまでも成果が上がらなければ当然ながら減額もあり得るのだ。
当社には有難いことに沢山の飲食企業様から、様々な求人の依頼をいただく。
◎年収1000万を超える「営業部長」の求人
◎年収600~800万の統括マネージャーの求人
◎年収500~750万の開発系の求人(商品や物件開発)
しかし・・・これらはスペシャリストの求人。
複数店舗を統括できる、業績改善ができる、売れる物件や商品を開発することができるスペシャリストでなければならない。
Mさんの得意分野は、カウンターサービスであり、新店立上げの経験と人財育成だったから先ずはテーブルサービスの経験を積み、しっかりと基礎を学んだ上で強みを生かして欲しかった。
だからこそ1)と2)の会社を提案した。
きっとMさんなら近い将来、晴れ舞台で活躍できる方だと思ったから。
結果、Mさんは給与の良い仕事を紹介してくれた同業者からの紹介で就職をした。
半年後、Mさんから連絡があった。
「仕事を紹介して欲しい・・・」
どうやら勤め先からの過度な期待と、Mさんの経験不足もあり、毎日ストレスの連続だったらしい。だいぶ落ち込んでいたので、「Mさん!良い経験と思い、次に繋げましょう」と声はかけたが、やはり短期の転職は印象を悪くするし、何よりもMさんが自信を無くしてしまったことが残念でならなかった。
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