面接で貴方の実力を示すには?
飲食店求人コミュニケーションズの斎藤です。
私は飲食業に特化した職業紹介会社で転職コンサルタントをしています。
この仕事を初めてから1000人近い求職者の方の面接に同席してきました。沢山の面接官とお会いしてきたからこそ分ったことがあります。
『面接官はどんなポイントを重視している』と思いますか?
もう古い言葉にも聞こえると思いますが、私たちの周りには”実力主義”という言葉や考え方が浸透しています。
さてこの”実力”とは一体何なのでしょうか?
これが分らなければ面接で”自己PR”はできません。
実力とは?
実績そのものと捉えていませんか?
例を挙げてみます。
大手ファストフードチェーンに勤めていたMさん。Mさんはテーブルサービスを学びたいとレストランチェーンへ転職を希望していた。これまでMさんのキャリアは大変立派なもので、一等立地の大箱店の店長として素晴らしい”実績”を残していた。社長賞や月間MVPも受賞しており社内評価も良かったと思われ、当時の収入は700万円近く。
Mさんの希望はレストランの店長候補として転職し、年収は同等(700万)を求めていた。テーブルサービス未経験者がスタートから700万円という求人は滅多にお目にかかれない。それでも何とかしてあげたい・・・💦
そこで私はMさんの給与をなるべく高くご提案できるように”実力”の裏付けをヒアリングしようと決めた。Mさんのような素晴らしい売上実績を残すにはどうすればよいのか聞いてみたのだった。
すると答えは「QSCの徹底」
QSCとは、Q:クオリティー(品質)、S:サービス(サービス)、C:クリンリネス(清潔さ)という意味です。
「なるほど・・・他にはありませんか?」
「いいえ、QSCがすべてですよ」
確かにQSCは重要だが、もっと深い取り組みがなかったのか聞いてみた。
「マニュアルの徹底です」
「なるほど・・・他にはありませんか?」
「いいえ、マニュアルがすべてですよ」
飲食チェーン店の研修店舗の求人なら最高の答えだったかもしれない。
この後4~50分ヒアリングを行ったが、残念ながらMさんの実力を裏付けできる内容は得られなかった。素晴らしい”実績”を持っていたとしても、Mさんには自ら生み出した”プロセス”が無かったのである。(課題抽出→仮説→検証→実績)
これまでのMさんは超有名チェーンのずっと一等立地で勤務してきた。
実はこれは不幸でもある。
それは一等立地の物件では集客が難しいはずが無いのだ。
・ブランドの知名度が高い
・時代背景にあった価格帯
・マーケットに合った商品
・採用へのブランディング
大手チェーンはこれ等を持っている。
つまり、売上を生む努力というよりも、本部が定めたQSCの徹底のため人材教育に趣きをおいていれば、ブランドの知名度で売上が付いてくるのだ。一般の街場のレストランのスタッフが悩みながら業務に当たってる【アルバイト採用】、【マニュアルを超えたサービスの構築】、【価格設定】、【原価コントロール】、【集客促進】など お店を存続させて行くために知恵と汗で積み重ねた経験が不足してしまうのだ。これはMさんが悪いわけでも、実力が無いという訳でもない。ただ問題の無いところに人は疑問を感じなければ時間もかけようとは思わない。Mさんの勤務姿勢は無駄がなく模範となる働き方だったのだろう。ただし、Mさんの方法が通用するのは有名チェーンや一等立地の場合だけだろうと私は思う。
これからのMさんにとって必要なのは、どんな工夫を経て達成したのか?
つまり実績の”プロセス”である。
例えば2、3等立地の店を工夫して営業した結果、安定して利益を生めるようになった。この工夫こそが真の”実力”である、と私は思う。
面接では実績に至った【プロセス=実力】を是非アピールして欲しいと思います。
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